食品サンプルは大正末期に日本で生まれ、日本独自の文化として成長してきたといわれる。その高度な製造技術は今も日本の職人たちによって継承され、進化を続けている。時代の変化とともに食品サンプルの役割も「単なる料理見本」から、視覚で飲食店の魅力を瞬間的に伝える「販売促進ツール」へと流れが変わってきている。
そんな中、工(たくみ)製作(焼津市方ノ上420─2、山岡靖幸代表)のよりリアルを追求した「食品サンプルストラップ」が人気を博している。代表の山岡氏は、18歳の頃から食品サンプル製作一筋で職人歴は来年で40年となる。そんな山岡氏が丹精込めてつくった「食品サンプルストラップ」はよりリアルを追求したものとなっている。
子どもの頃に見たレストランの食品サンプル。当時は、蝋(ろう)でできたものだが、子どもながらに「なんか違和感があるな」と思っていたという。小学校、中学校と年を重ねるとともに「自分はものづくりが好きだ」と気づく。
静岡市の食品サンプル会社に就職し、技術を磨いた。「約20年前に独立したのですが、次第にそんな飲食店が減ってきて、この業界もだめかと思った時期もありましたが、私はこの仕事が大好きなので、やはりこだわりのあるモノをつくることで活路を見出そうと今に至っています」。
同社のつくる「食品サンプルストラップ」は、すべて本物の食材からつくる型をつくることで細部も精細な表現している。樹脂製でシリコーンの型を使用することで優れた触感や360度仕上げを可能にしている。着色は職人の経験と勘でよりリアルを追求している。
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