㈱イワセイ(久保田常右社長)は、富士市南松野にある自社施設を活用して、県内外および海外から多くの観光客を呼び込むマーケットインに特化したビジネスに乗り出す。まずは、同社が運営する無上帑(むじょうどう)と塘変木(とうへんぼく)と呼ばれる伝統的な日本建築を現代に甦らせた建物を使って、地域資源を生かした新たなビジネスに取り組む。
具体的には、地域に眠っている潜在的な資源と、地元企業が持つものづくりの技術やアイデアを融合させた新たな商品開発を進める。自然豊かな里山にある無上帑の空間と、風光明媚な富士山のロケーションを最大限活用したイベントや新商品に関するプロモーションも積極的に行う。現在、梅沢鋳工㈱(梅澤伸英社長)が開発・製造したバーベキュー用の鉄板(梅鋳鉄板)を無上帑で展示するなど、地元企業とのコラボレーションも強化する。
地方創生に関する一連の取り組みについて久保田社長は、「無上帑では、地元企業や地域住民が主体的に参加できる仕組みを構築していきたい。将来的には、無上帑がまちの文化になり、1つのシンボルとして、この地域にしっかりと溶け込み、雇用と活力を生みだす原動力になりたい」と話す。
この地域には、みかんやキュウイ、椎茸などの特産品がいろいろある。それらを無上帑というフィルターにかけて、県内外の観光客や訪日外国人観光客にも発信していきながら、ここにしかないもの、ここでしか味わえないものを提供していく。そのためにも、この地にあった、昔日の面影がある気取らない朝市を復活させることで、後継者難に苦慮する生産者の声に耳を傾け、子ども達に食育の大切さを伝えるコミュニティーを構築したいと考えている。「これからも無上帑は世代をこえて皆さまから愛され、永続的に続いていくこと使命としながら、子ども達の愛郷心を育む場でありたい」。
- 問い合せ、0545・69・3588