自動車・産業機械用フィルターエレメントのメーカーであるエイケン工業㈱（御前崎市門屋１３７０、早馬義光社長）は、テント式サウナ「Ｇａｒａｇｅ ｓａｕｎａ（ガレージサウナ）」を発売した。開発・製作において静岡県内企業にこだわり、移動もできる快適なサウナ空間を提供している。
耐久性が高いストーブで安全にロウリュ（サウナストーンに水をかけること）が楽しめる。テント本体は重く頑丈な素材で設計・構成しており、仮設はもちろん常設使用も可能。熱が逃げない工夫や、風に強い設計（風速15ｍにも対応）、ゆったりくつろげる空間設計、部品の交換やメンテナンスが可能であるなど、安全性・使いやすさ・快適さにこだわった。収容人数は、余裕をもって６人。価格は29万７０００円（税込）。
これからの時代に適応する商品開発のため、２０１９年に開発部が新設した。鈴木大成部長が、森林組合で「間伐材が余って困る」という話を聞いたことをきっかけに、企画に着手し行政や商工会議所、県内企業らの協力を得て約２年をかけて開発した。当時、テント式サウナは海外ブランド品しか流通しておらず、「メンテナンスや部品交換ができない」「フレームがアルミ製で軽いため風に弱い」「側面が斜めで閉塞感・圧迫感がある」「入口が狭く入りにくい」などのデメリットを解消するため試行錯誤を重ねた。
またジャパンメイド、さらに県内企業にこだわった。同社がフレーム製作とストーブ部品の一部を、そのほかテントを㈲深沢製帆店（静岡市清水区袖師町）、ストーブの一部を芝原工業㈱（磐田市匂坂中）、フレームなどの曲げ加工を堀内パイプ工業（浜松市東区市野町）が製作し、ストーン（富士山の用岩石）は㈱大光産業（三島市安久）から、薪は掛川市森林組合から仕入れる。鈴木部長は「多くの皆さまの協力を得て製品化に至りました。アウトドアブームを追い風に、当製品を発信することで地域活性化につなげられたら幸い」と話している。
- 問い合せ、０８０・２４８３・２５００ （開発部・山下）