画像、映像、音声などのデジタルデータについて、オリジナルデータであることが誰でも、容易に確認できるデータのことです。
デジタル資産として価値を有するものがあるだけでなく、デジタルフォーラムの会員証としての機能を有するものや、リアルな権利と紐づいたものもあり、地方創生のためにも利活用が検討されているものもあります。
NFTとは、ブロックチェーンというデジタル台帳に記録されたデータであり、他のデータと識別することができるデータのことをいいます。
ブロックチェーンには、誰でも参加することができるパブリックチェーンや一定の者しか参加することができないプライベートチェーンなど、数多くのチェーンがありますが、NFTを発行することができるチェーンは限られています。
パブリックチェーンで発行されたNFTであれば、特定の者に依存せずにデータの信頼性を保障することができる仕組みですので、デジタルデータであっても原本とコピーとの区別を誰でも容易に把握することができます。
そのため、デジタルデータの原本の価値が高まってきたと言えます。
オープンシーなどのNFTプラットフォームでは、数多くのNFTが価値をもって売買されています。売買の方法も、発行者が販売するだけでなく、購入者が2次販売するような転売も盛んに行われています。プラットフォームの仕様により、ブロックチェーンを通じて、2次販売の際にも、一定の手数料が発行者に移転する仕組みとなっていることが多いため、今までは転売市場で利益を得ることができなかった著作者がその後の転売で利益を得ることもできます。
また、NFTは、デジタルデータとしての唯一性があり、購入者が保有するウォレットにより、第三者もNFTの保有の有無を確認することができますので、デジタルフォーラムの会員証として利用することもできます。交流の場として、ディスコードというアプリが用いられることが多いようですが、他にも保有するNFTによって投票する仕組みなど、コミュニティの意思決定の手段として利用することもできます。
近時は、NFTを保有することで、リアルな権利が付与される仕組みも拡がっています。たとえば、特定のNFTを保有していると、一定の時期に地域の特産品が送られてきたり(夕張メロンNFTなど)、一定の操作をすると特定の商品が送られてくるものもあります(キャプテン翼限定サッカーボールなど)。
さらに、NFTを地方創生のツールとして用いようとする動きが、とりわけ日本国内では活発です。
有名なものに、大花火祭りで有名な新潟県長岡市の旧山古志村の住民たちが立ち上げた地方創生のプロジェクトがあります。
具体的には、山古志村発祥の錦鯉をモチーフとしたNFTを1万体発行し、リアルの住民には無償配布し、デジタル住民には有償配布したというものです。山古志の発行する錦鯉NFTは、コミュニティへのアクセス権、アイデンティティの象徴、投票権、デジタル資産という4つの用途があります。
同様の取り組みは、静岡県内でも松崎町が令和5年3月から始めており、注目されています。
【日本で最も美しい村デジタル村民の夜明け事業】
https://www.town.matsuzaki.
shizuoka.jp/docs/2023030900018/
これらのようにNFTは、今まさに、さまざまな利活用法が模索されているところです。
NFTなどのブロックチェーンに関する法規制が整っておりませんでしたが、令和5年3月には「金融庁事務ガイドライン」において、NFTの取扱いが明示され、同年4月には自民党デジタル社会推進本部web3プロジェクトチームよりNFTビジネス関連も含む「web3ホワイトペーパー〜誰もがデジタル資産を利活用する時代へ〜」も公表されるなど、徐々に法的環境も整いつつあります。
NFTを用いた事業をご計画される際には、NFTに詳しい司法書士にぜひご相談ください。
司法書士赤松茂事務所
沼津市下河原町三丁目9番地の10
司法書士 赤松茂 氏