㈱宮原商店(静岡市駿河区池田130—3、杉山妙子社長)は、自転車ヘルメット専用など付加機能を備えた横断バッグの開発に力を入れている。
静岡で生まれ育った人にはお馴染みの横断バッグは、子どもたちの交通事故を減らしたいという願いを込めて生み出された商品だ。宮原商店の初代社長である宮原敏夫さんが、横断歩道を渡る時に子どもたちが手にする黄色い小旗に注目。昭和38年に横断マーク入りのバッグを商品化した。「遠くからでも子どもたちが歩いていることがわかるように横断バッグの基本色はヤマブキ色です。現在は通学だけでなく習いごとにも使えるようにサイズや色もバリエーションをそろえています。富士や沼津など雪が降る地区では手がふさがれないように肩ベルト付の横断バッグが選ばれることが多いです」(企画・営業担当杉山司さん)。
今春、静岡南署と共同開発した自転車ヘルメット専用横断バッグを発売した。ヘルメットを収納したバッグをワイヤー錠で自転車本体にくくりつけるためのリングがついているのが特徴だ。「令和5年4月に自転車の乗車用ヘルメットの着用が努力義務化されました。ヘルメット着用率が少しでも上がればと願っています」。現在、環境に配慮した商品としてSDGs横断バッグも開発中だ。「石油由来の材料を使わないバッグです。手にした子どもたちが環境を考えるきっかけになればと思っています」と杉山さんは話している。
新入生に配られる横断バッグの2割は企業や団体の寄付によるものだ。既製品だけでなく、企業名やキャラクターを印刷したオリジナル横断バッグをつくることも可能。就学前検診を行う11月の注文が多いという。
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