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【なまけもの】県大の学生初!県大認定ベンチャーが始動「福祉の楽しさを伝えたい」

2025/02/05 [02月05日号掲載]

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 ㈱なまけもの(静岡市駿河区谷田52—1、髙林佑介社長)は昨年12月に設立した静岡県立大学発ベンチャー企業で、看護学部の学生らが高齢者施設などに訪問し、レクリエーションや健康教室などのイベントを提供する。学生による県大発ベンチャーの創設は初めて。

 メンバーは、髙林社長と宅野佑弥さん、鈴木琉耶さん、山本絢音さんの4人で、全員が看護学部の学生だ。理学療法士として活躍し、さらに看護師や保健師を目指す髙林社長は、入学1年目(2023年)にボランティアサークル「なまけもの」を立ち上げた。地域の自治会や公共施設、高齢者施設などで防災訓練や健康教室を行っており、このほど主要メンバーで会社設立に至った。

 事業内容は、自治会やデイサービス、高齢者施設などを対象にした、レクリエーション、健康教室、防災訓練の企画・運営など。髙林社長は「ボランティアでは、運動・認知機能向上のためのゲームや、季節の催し、運動指導、備蓄を考える講話、ワークショップなどさまざまなレクリエーションを実施してきました。その中で、大学生が福祉に関心を持ち、地域で行う福祉の楽しさを体感しました。ボランティアは単発が多いなか、継続的に地域とのつながりを持つため、また参加してくれる大学生への交通費や心づけを工面するため事業化しました」という。

 現状では、ライバル社はないと髙林社長。継続利用によって、お互いに名前を覚え、コミュニケーションから生まれる人生の楽しみや動くきっかけづくりを創出する。また、看護学生ならではの専門知識を生かして、運動・認知・嚥下(えんげ=飲み込み)機能などをカルテで管理し継続支援を行うなど、施設ニーズに合わせたメニューを提供していく。「このレクリエーション事業を通して、施設(依頼主)とボランティア大学生、当社の三方良しの形を作り、福祉の楽しさを多くの人に伝えたい。さまざまなことに挑戦したいです」。