皆さん年齢を重ねられると、その思いになられるようですね。
遺言書作成の目的と作成前に留意することを挙げておきます。
─遺言書作成の目的、なんのために書くのか─
○死後の自分の意思表示
○相続争いを防ぐため
○遺言は法定相続に優先する(民法第902条)※遺留分に違反することができない
─遺言書を書いておいた方が良いと思われるケース─
○子供が居ない夫婦
○相続人がまったくいない人
○事業を残すために特定の者に継承させたい
○法定相続人でない者に財産を与えたい
○行方不明の推定相続人がいる
○法定相続分と違う配分をしたい場合
○相続人同士(子供達、兄弟姉妹)不仲である場合
○遺産の種類、量が多い等々
─遺言書作成前に調べておくこと、考えておくこと─
○誰に対して書くのか→相続人を確認
○誰にどの財産をどう分けるか?→財産を調べリストアップ
○遺言書の方式を決める
○遺言執行人を決める。
─遺言書に書いていいこと、悪いこと─
法律上書いていけないことはないが、トラブルを防ぐために避けたい事項。
○遺族を中傷するような事項
○公序良俗に反する事項
○言行不一致な事項
○意味不明な事項
─遺言書の種類─
普通方式
○自筆証書遺言→遺言者が自分で書いて作成
○公正証書遺言→公証人により作成
○秘密証書遺言→遺言者が作成するが公証人関与
特別方式
○死亡危急者の遺言
○伝染病隔離者の遺言
○在船者の遺言
○船舶遭難者の遺言
─遺言書の作成─
遺言書の中で秘密証書遺言、特別方式の遺言は作成頻度が少なく、作成数の多い、普通方式の自筆証書遺言及び公正証書遺言についての留意点を述べます。
●自筆証書遺言について
○遺言者が、その全文、作成日付及び氏名を自書しこれに印を押さなければならない
○自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者がその場所を指示しこれを変更した旨を付記して特にこれに署名し且つ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力がない。
他の証書に比べて
メリット
○何時、どこでも作成できる
○費用がかからない
○証人不要
○遺言の存在及び内容を秘密にできる
デメリット
○紛失の可能性あり
○内容不備の可能性あり
○偽造等の危険性あり
○検認手続きが必要
●公正証書遺言について
○遺言書の原案を考える
○証人を決める(2人以上)
○公証人に依頼、打ち合わせ、原案を伝え、作成日を決める
○必要書類(公証人より指示)をそろえる
○証人と共に公証役場へ行き遺言書作成
メリット
○公証人関与で方式不備にならない
○偽造等の危険性なし
○公証人役場で保管されるので安全
○字が書けない者でもできる
○検認手続き不要
○場所によっては出張依頼ができる
デメリット
○証人(2人以上)必要
○公証役場に出向く必要がある
○費用がかかる
以上参考にして下さい。
静岡県行政書士会
西遠支部 小池晴伸