静岡市清水区の清水港袖師地区に東燃ゼネラル石油㈱が所有する、清水油槽所内で火力発電所建設プロジェクトの準備作業が進められている。昨年10月には、東燃ゼネラル石油㈱ら3社による新会社「清水天然ガス発電合同会社」が設立された。同社は開発をする上での技術検討や環境アセスメントなど、発電プロジェクト開発を進めていく。
清水の将来を考える会(望月國平代表)は、7月13日に清水文化会館マリナートで市民フォーラム「巨大な火力発電所~街の姿、子どもの未来はどう変わる~」を開き、一般市民ら約200人が聴講した。パネリストに松田義弘氏(東海大学名誉教授)、川口良子氏(デザイン・アープ代表)、藤木八圭氏(ジャーナリスト)を招き、清水の将来について語った。
計画する火力発電所の発電規模は最大約170万KWで、国内最大級の規模となる。清水の将来を考える会では「JR清水駅から350mの位置に大規模な開発が行われるにも関わらず、市民の感心が盛り上がっていない。改めて清水の将来像を考える必要がある」と同フォーラムを開いた。
パネリストの松田氏は「このような場所に火力発電所が開発されるのは全国でも類のないケース。静岡市、そして清水港について皆で語り合い、市民、議会、行政が一体となって街の将来を考える機会を増やすべきだ」と語った。また川口氏は「JR清水駅周辺は長い時間をかけて街の姿を模索し、今の姿となっている。この地区は静岡市の東の玄関口で海洋文化都市を標榜している場所。都市はイメージで価値が変わる。市民の皆さんで、今後の街の姿をイメージすることが大切」と呼びかけた。
「清水天然ガス発電合同会社」は、発電プロジェクトを進めるが、最終的な事業化の可否については、環境アセスメントの結果や国内の政策動向、電力事業環境、国内外のエネルギー情勢、経済性などを総合的に考慮して見極めるとしている。