㈱入船商店(浜松市西区篠原町22005、西山勝彦社長)は、これまで接着が難しいとされていたポリプロピレン樹脂用の接着剤を開発し、全国展開に乗り出す。西山社長によると、「ポリプロピレンが一液で接着するはずがないと思っている企業も多く、まだまだ認知度が低い」のが実情のため、静岡県内の機械メーカーを中心に営業を強化する。
これまで不可能とされてきたポリプロピレンの接着が可能になったことで、新たな製品開発に繋がると期待されている。経営革新計画に承認されたこともあり、大手鉄鋼メーカーや太陽光パネルを製造するメーカーなど、県外からの問い合わせも増えてきたことから、10月には東京都大田区で開催される『第6回おおた研究・開発フェア~産学連携・新技術開発展~』に出店する。ポリプロピレンを瞬間接着できるといっても懐疑的な声も多いことから、西山社長みずからがイベント会場に出向き、試作品の制作やサンプルの提供、接着のデモンストレーションなどを行う。「プライマーを使わなくても接着できるほか、ポリプロピレンと異種材料との接着も可能です」と西山社長は意気込む。
ポリプロピレンは安価で成型しやすいため、主として自動車の内装材などに利用されている。しかし、これまでは専用の接着剤がなかったため、溶剤で表面を加工してから接着したり、ネジで固定する必要があった。また、ポリプロピレンと異素材の接着も可能なことから、海外などに工業製品を輸出する際に梱包するプラスチックダンボールなどに使用すれば、「経費とリスクの削減に繋がる」と、西山社長は言う。
価格は1㎏あたり1300円(税別)。接着剤は固形や溶剤、シートタイプなど各種バリエーションを取り揃える。
●問い合せ、053・440・0878