㈲キャリア・アップ(浜松市東区上新屋町228─2、須山由佳子社長)は、会社の目指す方向に社員のベクトルが向いているのか?や、「成果や結果」につなげるために「組織のどこに問題が潜んでいるのか?」といった課題を“見える化”する『心のベクトル診断(組織診断)』を開発した。早稲田大学と静岡大学、キャリア・アップとの産学連携によって昨年11月に製品化された。同社によると『心のベクトル診断(組織診断)』は、従業員満足(ES)のためのシステムではなく、ESを高めながら組織に求められる課題や問題点を明確に提示することで、自社の業績や売上に結びつけていく。
須山社長は本業の傍ら2009年から2年間にわたって、静岡大学大学院工学研究科でイノベーションを創出するための組織づくりについて研究を進めてきた。そこで得た知見や人脈をヒントに、専用の診断ツールを開発。企業向けコンサルティング業務を手掛けてきた350社の実績をもとに、40項目ほどの質問をまとめた診断書を作成した。「経営者や経営幹部の「経験や勘」に頼るのではなく、「データ解析」によって、これまで気付かなかった課題や問題点が明確になるだけでなく、組織にとって何が必要なのか、より具体的な方針や対策が立案できる」と須山社長は言う。
現在までに、県内西部地区の企業を中心に18社が導入済み。今後、導入実績を増やすことで、業績を伸ばすために必要とされる組織要因をより詳細に分析し、データを蓄積していく。「地元企業を中心に導入を進めながら、地域経済の活性化のために役立てていきたい」と期待を寄せる。『心のベクトル診断(組織診断)』は、“簡易版”で1社につき2つの部署(1つの部署につき20人まで)であれば、無料で試せる。そこで本格的な導入をしたいという要望があれば、廉価版のライト版とフルバージョン版の2種類から選べる。
●問い合せ、053・411・6858