独自の常温常圧濃縮技術を使って、添加物を一切使わずに素材の味や香り、色をそのまま生かした高級フルーツソースやコンフィチュール、マーマレードを製造販売しているマコジャパン㈱(静岡市清水区宮加三727─1、小鍋彰久社長)は、静岡県立大学や静岡県農林技術研究所などと連携し、イヌリンを配合した機能性ヨーグルトソースの開発に取り組んでいる。静岡市が募集した、地域の企業や団体と大学が共同で取り組む研究事業を支援する平成29年度の“産学共同研究委託事業(応用コース)”に応募、採択されたことから事業化を進めているもの。機能性ヨーグルトの研究は、平成28年度の委託事業(基礎コース)にも採択されており、1年かけて試作品づくりまでこぎつけた。基礎的な研究段階を経て、今年度は実際の販売に向けてソースを入れる包装材やパッケージの製作、効能を示すエビデンスも作成し、機能性表示食品として国への届け出を目指す。エビデンス作成には、イヌリン配合の機能性表示食品で実績のあるフジ日本精糖㈱の協力を得ているという。
イヌリンは、昔から糖尿病患者の栄養補助剤として利用されてきた低カロリーの食物繊維。最近では腸内フローラを活性化させて善玉菌を増やすなど、腸内環境を改善する素材としても注目を集めている。
ヨーグルトソースのベースは宍原のブルーベリーや石垣イチゴ、本山抹茶、清水の甘夏など静岡市内の特産品5種類。販売予定価格は、1本20g入りのスティック包装を5本セットで500円(税別)。来年4月の販売を目指している。小鍋社長は「おしゃれでおいしいだけでなく、体にもいい。そんな夢のある機能性食品をぜひ商品化したい」と意欲を見せている。