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【シーズプロジェクト】無人航空機事故の被害軽減に向け“操縦可能な緊急パラシュート”を開発

2018/05/20 [05月20日号掲載]

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 無人航空機を使った映像・音声・文字情報制作サービスを手掛ける㈱シーズプロジェクト(静岡市駿河区丸子7313、大髙悦裕社長)は、無人航空機本体に付随する操縦可能な緊急パラシュートの開発を進めている。これによりドローンにアクシデントが発生したとき、操縦者の意図した場所へ衝撃を和らげながら着陸させることができる。

 ドローンの人気・需要増加により市場が右肩上がりに成長していることに伴い、無人航空機の利用者が増加している。しかし経験が浅い利用者も多く、今後事故件数の増加やリスクの上昇が予測できる。同社の大髙社長は事故の被害軽減に着目し、無人航空機の研究開発で協力を得ていた静岡理工科大学・理工学部機械工学科の田村博特任講師に、操縦可能な緊急パラシュート開発を持ちかけた。

 大髙社長は「テレビ業界で無人航空機を使った撮影の需要が増えたことにより、タレント相手に仕事をすることが多くなりました。万が一のトラブルでタレントにけがをさせてしまうことが考えられます。無人航空機が操作できなくなっても、緊急パラシュートが操縦可能であれば、対人でけがをさせてしまうことやデータ損失のリスクを軽減することができます。将来的には、車のエアバッグのような位置付けで商品化していきたいです」と話した。また田村特任講師は「3年前から研究開発していた緊急パラシュートがようやく実現しました。操舵性や作動速度は目標値に達しましたが、今後装置の自動化や小型化、汎用性を高めていけたらと考えています」と改良の余地があることを説明した。