理系女子を増やすことなどを目的に2016年度から2年間、女子中高生を対象に静岡大学らが取り組んだ「理系女子夢みっけ★応援プロジェクトinしずおか」(以下リケしず)の報告書がまとまった。17年度単年度の実績では、目標を大きく上回る延べ2198人の女子中高生が同プロジェクトに参加(その他保護者と教員が273人参加)。参加者(保護者、教員も含む)のプロジェクトに対する「満足度」は90・6%、「理系進路に対する意識が前向きになった」とする割合が93・0%となり、大きな成果が得られた。同大学では引き続き、18年度以降もプロジェクトを継続していくとしている。
リケしずは、「理系に興味があるが、不安感もあり一歩が踏み出せない」という女子中高生とその保護者、教員を応援するプロジェクト。喫緊の課題である人口流出(特に若年層女性)阻止の一端を担うものとして、科学技術振興機構の補助を得て実施した。実施機関は静岡大学、共同実施機関が静岡県立大学。このほか静岡市や民間企業が連携機関として協力した。
実施した企画は、「体験実験(大学の研究室で科学を楽しむ術を体験するイベント)」、「進路選択を考えるシンポジウム」、「ふじのくに地球環境史ミュージアム合宿(地層の観察、化石の掘り起し、銀河の観察など)」、「女性資格取得者講演会」、「企業・研究機関見学」、「出前授業」など。出前事業は17年度、12の高校と1中学校で実施、生徒1000人と保護者、教員80人が参加した。
静岡大学の報告書によると、全てのイベントを通じて参加者の満足度が90%を超え、特に企業・研究機関見学に参加した生徒の満足度は相対的に高かったとしている。
参加者のアンケートの集計結果は、
「進路選択の参考になった」が90%以上、「理系進路を前向きに選択しようと思うようになった」が75%以上、「将来、科学技術を必要とする職業に就きたいと思うようになった」が67%、「今回の取り組みに参加したことで、子どもを理系に進ませたいと思うようになった」が95%以上で、全体的に高い数値が得られた(数値はいずれも17年度の結果)。