ガイアフロー静岡蒸溜所(静岡市葵区落合555、中村大航社長)は、すべての原材料を地元静岡産にこだわった原材料オール静岡産ウイスキーの製造に着手した。昨年11月15日には静岡蒸留所のある玉川地区桂山と富士宮で栽培された大麦麦芽の粉砕が行われた。翌日以降、糖化・発酵〜初留〜再留の工程を経て11月23日にウイスキーの原酒が完成した。
静岡蒸溜所の計画段階から“原材料オール静岡産ウイスキー”の製造は中村社長の念願でもあった。同社によると静岡県内では大麦がほとんど栽培されていないため、静岡県産の大麦を確保するのに苦労したという。昨年11月の仕込みには約1トンの大麦しか調達することができなかったため、2018年の仕込みは1回限りとなった。ウイスキー業界では、麦芽や酵母など原料の産地にスポットがあたることはほとんどなく、日本国内でも一部の原材料は海外から輸入して製造しているという。麦芽や酵母はもちろん、仕込水や蒸溜機に使用する薪に至るまで、すべて静岡産の原材料を使ったウイスキーの製造はめずらしく、中村社長は期待を寄せる。来期以降は県内全域を対象に大麦の生産に協力してくれる生産者を募りたいと言う。
そして、昨年12月5日から一般見学者の受け入れがスタートした。2月までは平日(月〜金)1回のみとなるが、今春以降は土・日のほか、平日は午前・午後と2回に分けて、より多くの人たちに気軽に訪れてもらえるよう体制を整備する。昨年11月に完了した二期工事では、静岡蒸溜所敷地内の駐車場や外構整備のほか、第2貯蔵庫が完成。また、2020年夏ごろをメドに静岡蒸溜所オリジナルグッズの販売や、玉川地区の特産品などを販売するビジターセンターのオープンを予定している。
●問い合せ、054・292・2555