㈱セイセイサーバー(静岡市清水区川原町1─9、長田きみの社長)は、SDGs(持続可能な開発目標)が目指す17の目標のゴール⑤“ジェンダーの平等と女性のエンパワーメント”に根ざした社内体制の構築を進めている。その取り組みの一例として2019年には、“より働きやすいセイセイサーバーを創る”をテーマに、女性スタッフによるプロジェクトチームSSG(セイセイガールズ)を結成。意欲があれば、誰もが等しく平等に活躍できるジェンダーレスな会社づくりを実践している。
長田社長が指揮を執り女性が継続して働き、活躍できる多様なキャリアコースづくりを整備してきた。その一連の取り組みが認められ、厚生労働大臣が認定する制度“えるぼし認定”を取得した。今後も年齢や性別を問わず、さらなる職場環境の改善と女性がいきいきと働ける企業風土を構築していきたいという。また、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用)の考えに基づき、現場従業員のユニフォームを刷新した。性別や年齢、国籍や人種を問わず、真の意味での男女平等を掲げた“ジェンダーの平等と女性のエンパワーメント”を顧客先にも発信していく。
長田社長は依然として男性優位の業界体質は変わらないとしながら、女性だから…というバイアスをかけてきたのが、これまでの男性中心の会社組織だったという。「女性という言葉だけが一人歩きしてしまっては、真の意味でのジェンダーレスとはいえない。私たちは男女を問わず、すべての従業員が平等であり、誰にとっても働きやすい職場環境をつくることが重要と考えている。それはお客さまに対しても同様で、女性トイレを清掃しているのが男性であれば、それを怪訝に思う方もいる。そのような偏見をいかに払しょくするかが課題でもある」と話す。
SDGs実現のためにも、ビルメン業界に属する企業が限られた市場を奪い合うライバルとして対峙するのではなく、志を同じくする仲間として、業界の地位向上を目指さなければビルメン業界の未来はないと警鐘を鳴らす。業界の人手不足は常態化し、大都市では外国人労働者に依存している状態という。「業界全体で知恵を出し合っていかないと人材を確保するのもままならない。例えば、隙間時間を利用してフレキシブルに仕事ができる体制や、さまざまな業種業態と連携して人材をシェアできるような提案をしていきたい。賃金についてもそうだが、何よりも働く人たちにとって価値あるものにしていきたい」としている。