木内建設㈱(静岡市駿河区国吉田1─7─37、木内藤丈社長)はコスト高の影響による設備投資の意欲を喚起するため、顧客先のESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)の価値提供を含めた課題解決型の建設関連事業に関する総合プランナーとしての取り組みを加速する。
その取り組みの1つが、グループ会社のフジ都市開発㈱が建設を進めているハイグレード賃貸マンション『グリシーヌ東町』だ。高層賃貸マンションでは県内初の“ZEH─M Oriented”(ゼッチ・マンション・オリエンテッド)に適合した物件となる。建物外皮の断熱性能を大幅に高め、高効率な設備やシステムを導入することで、共用部を含むマンション全体(冷暖房・換気・給湯・照明・エレベーター)の一次エネルギー消費量の年間20%以上が削減できるという。木内社長は、「物価高に加え、電気代がこれだけ高騰していることを考えると、入居者にとって電気代を大幅に削減できるメリットは大きいのではないか」と話す。
以前から木内社長は、木内グループの総力を結集した長期的な不動産投資を視野に入れたストック型の開発にチャレンジしたいと考えていた。ハイグレード賃貸マンションの新たなブランドとして誕生した『グリシーヌ東町』は、従来の“建てる”“売る”だけでなく、“借りる”“貸す”といった発想を加えることで、より収益の幅を持たせた。
「来年、再来年は県内製造業の設備投資が減退しないという期待値がもっとも大きい。そのためにはコスト高にめげずに、お客さまのSDGsやESGに根ざしたニーズに対しての価値提供にフォーカスした設計や、建築・不動産のなかで価値提供をしてお客さまと一緒に課題解決をしていかないと、ますます設備投資に対する意欲は減退していってしまう」と危機感を募らせる。