静岡鉄道(静岡市葵区鷹匠1—1—1、川井敏行社長)は、昨年11月に実施した『COOL CHOICE 2022inしずおか』の調査・分析結果を発表した。同催しは、CO2排出量の少ないバスや電車を利用することで市民と企業が一体となりエコを実践することを目的に開催した。当日は静鉄グループが運行する静岡市内のバス・電車を無料で利用できるようにしたほか、沿線で各種イベントを実施した。
同社の街頭調査(有効回答1112人)によると、来訪者の約8割が静岡市居住者で内訳が葵区が半数、駿河区と清水区が半々だった。当日の交通手段を訪ねたところ約6割が静鉄バス・電車を利用したと回答。さらにマイカーの場合と比べてまちなかの滞在時間が伸びたという回答は47%に及んだ。滞在時間は2〜3時間未満(28%)が最も多かった。公共交通の利便性向上が、外出を促し、街中での滞在時間を拡大させ、まちの賑わいにつながるということが伺えるが、イベント当日に静鉄バス・電車で移動した人の経済波及効果は約4億円と大きな成果を上げている。
次に環境面に目を向けると、普段自動車を利用している人がイベント当日に静鉄電車・バスを利用したことによる1日あたりのCO2排出量の削減効果は52t—CO2(杉の木約5900本の年間吸収量相当)だった。自動車を利用している人が、電車やバスを日常的に利用するようになると1万人が転換した場合、年間で1万2500t—CO2を削減できる試算となる。静鉄グループは、公共交通を担う企業として、環境と経済活動の両立により、持続可能な社会の実現に貢献したいと考え、今回のイベントを開催した。公共交通の利用をはじめ、さまざまな脱炭素社会の実現に貢献できる〝賢い選択〟について情報発信することができたと捉えており、「コロナ禍で縮小した人流を回復させ、街のにぎわいを取り戻し、地域の方々と脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいくため、今後も『COOL CHOICE inしずおか』を継続して開催していきます」と二村昌輝未来事業創造部長(COOL CHOICE 2022inしずおか推進チームリーダー)は話している。なお、概要は未定だが本年も11月18日㈯に開催する予定になっている。