㈱幸不動産(静岡市葵区末広町126、長嶋伸幸社長)は、所属する(公社)全日本不動産協会静岡県本部からの依頼を受け、刑務所出所者に対する居住支援を促進する意見交換会に出席した。刑務所出所者の中には、矯正施設から釈放される際に高齢や障害、貧困などの理由によって帰住先の確保が難しいことから、住居のない不安定な生活の中で再犯に至ってしまう人たちが一定数いるという。このような刑務所出所者の住居確保を支援することは、安全・安心な地域社会を確立する上で必要不可欠であることから、静岡県居住支援協議会の一員として長嶋社長が静岡刑務所長などと帰住先確保に関する意見交換を行った。
長嶋氏は「賃貸マンションの契約では、家主と借主が直接対面することは稀で、ほとんどの大家は借主のことを知らない場合が多い。ましてや刑務所出所者が何の後ろ盾もない状況で住まいを確保するのは困難。そこで私ども不動産業者が間に入り、刑務出所者の居住支援ができないかと考えた」と話す。日本経済の長期低迷や物価高騰によって、新築住宅の市場規模は真綿で首を締めるようにシュリンクしている。そう考えると今後の不動産市場は、築年数が経過し空室が多く残る賃貸物件の市場規模が少しずつ拡大していくのではないかと長嶋氏は予測している。
かねてから長嶋氏は、事業を通じて地域社会に貢献していきたいという思いがあった。静岡市内の老舗不動産会社の役職を辞してまで起業したのも、“不動産を所有するお客さまで困っている人を1人でも多く救いたい”という思いから。また、今年6月には静岡県立こども病院に寄付するなど、地域貢献活動にも注力している。「人口減少に伴い、市場も縮小していきますので、業界全体の活性化を考えていかなければ、この先の不動産業は立ち行かなくなってしまう。生まれ育った静岡市のために何ができるかを考え、事業を通じてそれを実行していきたい」と言う。
- 問い合せ、054・251・8601