エス・エルワールド㈱(静岡市清水区宮加三642、杉山岳人社長)は3月、静鉄ホームズ㈱(焼津市大住915、保竹善之社長)と共同し、林野庁関東森林管理局と分収造林契約を締結した。同月、群馬県前橋市の同管理局森林整備部 森林整備課で感謝状贈呈式が行われた。
浜松市内の国有林2・656haに、早生樹である〝テーダ松〟約7000本を植林する。3月から植林を開始し、育林は掛川森林組合に委託し、30年後の2054年に伐採を予定している。同社によると、静岡県内で林野関係事業者以外の契約締結は、民間企業で初めてという。
同社は物流梱包資材(産業資材)や住宅資材、車両資材をメインに木材の加工販売などを展開している。杉山社長は「我々は木を消費する仕事なので、ずっと植林をしたいという思いがありました。今回の分収造林によって国産材循環サイクルの向上やSDGs、カーボンニュートラルの観点でも社会貢献につながると思い、静鉄ホームズさんに一緒にどうかとお声がけさせていただきました。30年後に伐採するテーダ松は、建材や梱包材など無駄なく使いたい」という。またテーダ松は、更新や保育にかかる経費が安く、短伐期でバイオマス原料を多量に生産できると近年注目が集まっている。国内の流通はまだ少ないため、外部機関による研究もあわせて進めるという。
国有林の分収造林は、造林者が契約によって木を植え、一定期間育てたのちに伐採し、販売収益を国と造林者で分収する制度のこと。国産材循環サイクルの向上やサステナブルな社会・脱炭素社会の実現に貢献できるなどのメリットがある。