静岡市の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」(運営・㈱創造舎、山梨洋靖社長)に、世界的建築家・隈研吾氏が監修したスツール 「タテヨコナナメ」を組み立てる木工体験が加わった。子どもから大人まで楽しめる「育てる」スツールをデザインした。
最初は不安定なスツールが、木の材料を補強していくことで人を支えられる程に強く育っていく。一本一本は小さく強度のない木をたくさん集めて強い建物を作る、日本古来の木造技術を学び体験できるスツールだ。追加する本数や場所、そして「タテ・ヨコ・ナナメ」の角度は自由に決められる。作る人によってそれぞれが全く違う表情の、唯一無二の椅子となる。
最低限の構造で少し不安定なスツール本体と、三本の木材パーツをもらうところから体験はスタート。見た目や強度・使い勝手を想像しながら、取り付け位置や角度を決めていく。まさにデザインと構造の関係性を自然と学んでいくことができる。 取り付け位置が定まったら木ネジを打つ位置にボーリング機械で丁寧に穴をあけ、電動ドリルで組み上げる。ネジ一つにもこだわり、同企画に合わせた六角穴のオリジナル木ネジを興津螺旋㈱(静岡市清水区、柿澤宏一社長)に依頼した。
隈研吾氏は1954年生。90年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。40を超える国々でプロジェクトが進行中。近年は国立競技場で知名度を上げた。静岡市内では「日本平夢テラス」を設計している。
体験料金は2万2000円(税込)。申し込みは特設サイトから(https://takumishuku.jp/tateyokonaname)