㈱空間デザイン一級建築士事務所（通称ＴＨＥ ＬＡＢＯ、静岡市駿河区宮本町10—18）は、モダンなデザインを得意とする上田秀之氏と、木を使ったデザインを得意とする一級建築士の山本康二郎氏の共同代表によるデザイン建築の設計・施工を展開している。クリニックやグループホーム、就労支援施設など医療・福祉系事業所を中心に、事務所やマンション、店舗の実績が多数ある。
同社のこだわりはデザイン性。美的価値はもちろん機能性や快適性、環境との調和、経済的価値の向上などデザイン性の高い建築物を建てることだ。山本氏は「例えば、建物を見ただけで業種や業態がわかってしまう建築物よりは、スマートで快適なほうが、訪れる（利用する）人も従業員も皆さん嬉しいですよね。最近は、スタイリッシュなクリニックや、休憩室やリラクゼーションルームがあるオフィスも多いです。近年、建築物には機能性だけでなく、温かい空間づくりが求められていると感じます」と話している。
５月にオープンした複合施設「ＴＨＥ ＬＡＢＯ」（同）には、同事務所のほかクリニックや薬局、カフェなど全５テナントが入居しており、平日・休日に関わらず多くの人でにぎわっている。同施設は、全体的にモダンにまとめつつウッド、ストーンを融合したオリジナリティあふれる設計になっており、圧迫感がなく奥行きのある外観、中庭やスカイデッキを設けて敷地内を周遊できる導線も特徴的だ。
上田氏は「複合施設は、敷地内に目いっぱい建てて、一件でも多く、広く区画を確保するやり方が一般的だが、ちょっとした空間をあえて作ったことで、ふらっと立ち寄りやすい、また注目されやすい施設に仕上がった。この施設を皮切りに、大型施設やクリニックモールなど新しい空間づくりに挑戦するとともに、そこに入居する新たな挑戦者の応援、ひいては地域活性につながればうれしいです」という。