カーテンウォールなど建築金物や工作機械の焼付塗装を展開する岸萬塗装㈱(焼津市浜当目890、岸勇旭社長)は、6月に建築用金属製品製造業の㈱タックベンド(焼津市大覚寺676—1)をM&Aした。これにより建築板金から塗装、裏打ち加工、配送と建築金物における一貫体制を確立し、利便性やコストダウン、納期短縮を実現している。
同社は1946年に創業し、アルミ・鉄・ステンレスの建築金物の焼付塗装を主軸に事業を展開している。約21年前に中国工場を、13年前に吉田工場を新設し工作機械や精密機械、家電製品などの大型機械フレーム塗装事業を開始した。同事業の拡大により昨年には島田工場を新設した。技術を要する調色(色を作る)や、木目調・石目調などのデザイン塗装も得意としている。またコロナ禍で新しい柱をと、マンションやアパート、事業所、個人住宅などの住宅塗装事業を立ち上げている。4代目の岸勇旭社長は「昨年社長に就任し、4兄弟と従業員一同で協力して前向きに頑張っています。人手不足の課題を前に、年間休日や福利厚生の充実などしてきましたが、今後もさらに働きやすい職場づくりに努めたい」と話している。
リーマンショックを機に着手した大型機械フレーム塗装は、工作機械や精密機械などのほか、酸素ルーム、コインパーキング精算機、ねじなど幅広い塗装に対応しており、特に重量物や大物、大ロットを得意としている。「建材塗装に比較して競合も多い分野ですが、塗装できるものが幅広くあるため今後伸ばしていきたい。表面加工処理から塗装、焼付乾燥まで一貫して自社で行うので最短で当日出荷も可能です。各分野のメーカーとつながることで、新しい商品や産業が生まれるお手伝いができることがやりがいにつながっています。塗装のプロフェッショナルとして信頼を重ね、塗装のことでお悩みの際はなんでもご相談いただければうれしいです」。