㈱メガロホーム(静岡市葵区瀬名川3—11—27、松永卓政社長)は、木のぬくもりを生かした建築が得意な工務店で、目隠しフェンスや窓枠、テレビボードなどの造作や小さな工事から、新築、リフォーム、店舗、施設、古民家改修など幅広く受注している。妹の海野ゆかりさん(取締役)が不動産部門を担当しており、特に瀬名川地域を中心に、売りたい・買いたい・家を建てたいなどの相談に応えている。
3代目の松永社長は、まっすぐで全力、迷いがない仕事ぶりに定評がある。顧客の家族構成を聞き、将来リフォームしやすいように配慮しながらも〝自分が住みたいと思う家〟を作るのがこだわりだという。松永社長は「毎回ショールームを作るつもりで、誰に見られても恥ずかしくない作業を心掛けています。よく『これも、あれも作ったの!?』と驚かれますが、既製品を探すよりも、寸法ぴったりで作った方が早い、と思ってしまうんですね。とにかく手間をかけて作ることが好きで、看板や什器、掘りごたつ、カウンターなど、なんでも作ります」という。先般は、介護事業者の社長から依頼を受け、新築の介護施設内に松永社長お手製のヒノキ風呂を導入したという。「約800坪、2階建ての施設でしたが、とても作り甲斐がありました」。
同社は若手育成にも注力しており、職業体験の学生を長年受け入れている。また、現在の従業員のうちの一人は、もともとは同社で大工の体験をした学生だという。「2000年には60万人だった大工の人数が、今は20万人、そのうえ半数以上は高齢者という現状の中、我々は80年もつ家を建てるからには、80年先までメンテナンスできる人材と技術が必要です。雇用と継承は経営者の責任でもあります。職業体験は、大工という仕事を次の世代に残したいという意味でも続けていきたいです」。