百年住宅㈱(静岡市駿河区大谷2─20─23、中嶋雄社長)は、建築用3Dプリンターの技術とプレハブ建築のWPC工法を融合したハイブリッド建築を開発した。今年2月、SBSマイホームセンター静岡展示場内において、同ハイブリッド建築によるトイレ建屋が完成した。同社ではプレキャストコンクリートパネルの工場製造技術を生かし、セレンディクス㈱とのオープンイノベーションを行っている。この協業から開発されたのが、今回のハイブリッド建築という。
公衆トイレの構造躯体は、PCパネル部材を現場で組み立てるWPC工法。構造躯体を囲むように意匠の壁として建築用3Dプリンターで制作した部材を設置する。これまで鉄筋コンクリート造では困難だった円形や曲線、表面の凹凸を3Dプリンターで実現した。部材は同社小牧工場にて製作。また、3Dプリンター部材は13種類に分かれており、中空構造によって軽量化が図られ、大型トラックで容易に運搬が可能。現地で組立後、中空部分にコンクリートと鉄筋を差し込み連結させた構造躯体の組立工期は通常の鉄筋コンクリート構造と比較して1/4程度に短縮された。これにより業界の課題である人件費の高騰を解消し、高耐震・高耐久の性能を維持した同ハイブリッド工法は、住宅などさまざまな建物への応用が可能だ。
近年は地震や台風、豪雨、土砂災害が頻繁に発生しており、堅牢な建物が求められている。しかし、一般的なコンクリート造は職人不足や建築資材の高騰、工期が長いため小規模建築では普及していないという。この課題を解決するため、コンクリートプレハブ住宅のWPC工法が注目されているが、デザインの自由度には制限があった。そこで、建設用3Dプリンターと融合することでデメリットを解決した新たなハイブリット建築の開発に着手した。