静岡県が認定する“静岡県農山漁村ときめき女性OG”でもある郷土史家の成澤政江さんが新たにはじめた『戦国語り部カフェ 華』が提供する徳川家康公の食事を再現した“家康膳”が話題を集めている。静岡市駿河区小坂にある築80年の成澤さんの古民家を店舗兼ギャラリーとして使い、四季折々の旬の素材を使ってつくられた優しい味付けの“家康膳”。季節によってメニューも変えていく成澤さんこだわりの逸品が味わえるとあって、これまでにも数多くの経営者や著名人などが訪れている。
幼い頃から郷土の歴史に親しみ、ミカン農家に嫁いでからは、農家としての仕事の傍ら、公民館や寺などで歴史を学んでいたという。現在は歴史の語り部として、歴史講座の講師やラジオなどで活躍している。「私が現在、郷土の文化や歴史の語り部として活動しているのは、祖父の存在とともに両親の影響があります。私は焼津市の古い農家に生まれました。私が子どもだった頃には、茅葺き屋根職人だった祖父や両親の思い出が記憶のなかに息づいていた江戸時代や武家社会が、ごく身近な物語として存在していて、焼津の豊かな農村風景や往時の駿府の繁栄と名残とともに、一種の原風景として心に刻み込まれていたのではないかと思います」。
『戦国語り部カフェ 華』では、徳川家康が食した料理の再現のほか、地域の史実や歴史上の人物のエピソードを紹介し、楽しませてくれる癒しの場所でもある。歴史の話は自分でも把握できないくらい豊富なレパートリーがあるという。「私は家康の健康は食であったと考え、関心を持つようになりました。そして、家康が食べたであろう江戸初期の食事を再現してみたいと思い、『戦国語り部カフェ 華』をはじめました。語り部を通して、これからの世代に少しでも興味を持っていただければ幸いです」。
●問い合せ、054・258・3771
(要予約、第2・第4月曜日のみ営業)