静岡県内を中心に飲食事業を展開する㈱なすび(静岡市清水区港町2─1─1、藤田圭亮社長)は昨年12月、アメリカ合衆国ハワイ州ホノルル市の和菓子製造販売会社『FUJIYA』の株式を取得し、資本提携を結んだ。
1958年に創業した『FUJIYA』はホノルル市内に製造工場と直営店を構え、和菓子の製造販売を行っている。また、アラモアナショッピングセンターや、カリフォルニア州のスーパーマーケットなどにも商品を卸しており、アメリカ本土の販売網を拡大している最中にあるという。
このほどなすびが『FUJIYA』の経営に参画した目的の一つには、〝ハワイ発の和スイーツを開発し、和の食文化をアメリカ国内においてブランド展開していく〟という思惑がある。『FUJIYA』の商品はこれまで主にローカル顧客をターゲットに販売されていたが、なすびが経営に参画することを契機に、新たに1日10万人以上訪れる観光客向けの商品開発にも力を入れていく方針だ。「県産食材も積極的に取り入れていく予定です。当社の経営理念でもある〝ふじのくにの食文化の発信〟につながる事業としていきたい」(藤田社長)。
なすび創業40周年を迎える今年を〝第三創業期〟と位置づけ、今回の事業を足がかりに、米国内で和食店のオープンも視野に入れていると同時に、静岡での新事業も展開していく。「世界無形文化遺産に登録された和食の文化や魅力を海外で発信する事業を手がけていくため、企業力の底上げに努めていきます」と藤田社長が話すように、メードインジャパン、そしてメードイン静岡の食文化を世界に発信していこうとする志しを抱く。
●問い合せ、054・354・1138