三鈴工業㈱(浜松市東区和田町858、鈴木正史社長)は、排水処理施設の消費電力を50%以上削減できるという超微細気泡散気装置“エラストックス”の販売を強化する。中部地区で水産加工や飲料・食品などを製造する中小企業を対象とする。同社は、微細な特殊スリットから直径1~2㎜ほどの気泡を発生させ、微生物に酸素を送って排水を浄化する“有機系排水処理施設”の設計・施工に強みを持つ。
国内における“エラストックス”の販売実績は、約3000件、設置本数は10万本を超える。しかし、県内の中小企業における普及率はまだまだ少ない。同社によると、排水処理施設を見直すことで、経費削減に繋がると考える経営者は少なく、排水処理施設の稼働状況を把握していないケースも少なくないと言う。鈴木社長は、「水質規制を順守すればいいという範疇に留まっており、排水処理場の経費削減に目が向かない現状を変えていきたい」と話す。また、「余剰汚泥発生量が半分以下になり、なおかつ消費電力を大幅に削減できるので、コスト削減にも繋がる」と話し、今期は既存客のアフタフォローを強化することで、顧客からのクチコミによる受注増に繋げていきたいと鈴木社長は意気込む。
現在、開発を進めているのが、次世代エネルギーとして注目を集めているバイオガスを生成するメタン発酵装置だ。乳牛や豚などの糞尿や、食品残渣などの有機性廃棄物が嫌気性微生物の働きによってメタン発酵することで発生するメタンガスを利用する。この装置によって、メタンや二酸化炭素などが抽出できるほか、ガスを生成したバイオ燃料の残りは、安全な肥料として二次利用できるなどのメリットがある。今後、同社では中小企業向けに廉価版のメタン発酵装置の製造に着手し、新たにバイオガスプラントの事業にも進出する計画だ。
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