“笑顔が集まるところに幸せはうまれる”をコンセプトに創業した、通所介護や居宅介護支援事業を行う美穂の家(静岡市清水区押切62─7、田島和子社長)が注目を集めている。“こころを込めた日本一のデイサービス”を掲げる美穂の家は、子どもからお年寄りまで、近隣の住民が自由に集い、交流できる“地域の憩い場”をつくりたいと考えている。両親や親せきの介護を経て、田島社長が4年前に小規模デイサービス美穂の家を静岡市葵区沓谷で創業した。
美穂の家は、昭和の古民家をイメージした純和風の建物で、無垢の杉材や漆喰など、健康に配慮した身体にやさしい自然素材を使っている。自分の子どもや孫が遊びに来たような気持ちになってもらえればと、近所の子どもたちが気軽に立ち寄れる施設を目指した。
ゆくゆくは、“修身・倫理・道徳”をテーマとした寺子屋をはじめる。介護施設と寺子屋を併設した共生型福祉施設を目指す。公益財団法人伊勢修養団の講習会を通じて田島社長が学んできた知見を生かし、先人たちの教えや精神、日本の歴史など、“日本人の心”を子どもたちに伝えていく。「子どもとお年寄りが共生する施設を目指しています。子どもたちには、お年寄りとのふれあいを通じて、与えられた命を精一杯生きる姿や老いて亡くなっていく姿を見てもらいたい。そうすれば命を粗末にせず、人の気持ちを思いやり、地域社会に“幸せの種”をまいてくれる子どもたちが、たくさん集まる場所になるはず」と田島社長は言う。
「昭和の時代にあった家族団らんの風景や、近所の頑固おじさんに叱られた子どもの頃の思い出など、不便さの中にも人のぬくもりが感じられるコミュニティーをもう一度、取り戻したい」と語る。「家庭を見渡せば、手と手を合わせ、食の恵みに感謝する気持ちをいつの間にか忘れてしまったように思われます。古来より伝承によって受け継がれてきた“日本人の心”を子どもたちに伝えていきたい」と意気込む。
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