島田市内の産官学が連携して設立した“島田ICT(情報通信技術)コンソーシアム”は6月15日、キックオフイベントとなる講演会を島田市の初倉地域総合センター・くららで開いた。地元住民や市の幹部職員、経営者など約80人が参加した。
コンソーシアムは、官民の連携によって教育や産業分野へのICTの導入・活用を推進し、次代を担う人材の育成や産業の活性化を図るとともに、新たな働き方を創出することで地域経済の持続的な発展や人口減少などの課題解決を目指すため、今年3月島田市が立ち上げた。
始めに会長を務める静岡県立大学の湯瀬裕昭経営情報学部教授が講演した。湯瀬氏は「若い世代が減ったと悲観するのではなく、団塊の世代が頑張る時代に入ったと発想を変えることが大事」と強調。ICTで活性化に成功した自治体の事例などを紹介し、「ICTを適材適所で使い、得意なところを伸ばしていくことが持続可能なまちづくりにつながる」と話した。第2部のまちづくり団体や企業の代表者によるパネルディスカッションには、NPO法人クロスメディアしまだの大石歩真理事長、⑭オカムラの岡村修代表取締役、⑭テクノサイトの中川泰典常務取締役、⑰ワークシステムの塩澤久寿営業部課長、⑭丸紅の紅林眞実取締役本部長、有限責任事業組合ママProの杉本真美代表理事の6人がパネラーとして参加した。意見交換では「ICTやIoTを活用できる人材の育成が大事」(大石氏)、「いろいろな立場の人同士が知り合うことから始めたい」(岡村氏)、「他のコンソーシアムと連携しながら、スケールメリットを生かしていく」(中川氏)、「ICTに興味がない経営者からまずはアプローチすべき」(塩澤氏)などの意見が出た。