和食に精通した料理人が、静岡ならではの食材を使った日本料理と、それに付随した静岡の文化・伝統を次世代に継承することを目的とした『ふじのくに日本料理研鑽会』と『ふじのくに日本文化研鑽会』が発足した。「2013年に“和食.,日本人の伝統的な食文化”が、世界無形文化遺産に登録されました。海外や東京・京都など、一部の都市だけが推進するのではなく、地方都市を含めた日本中で日本食文化の保護や次世代への継承をもう一度考え直す時です。良く知られる寿司、天ぷら、焼鳥、刺身などだけが和食ではありません。地方の郷土料理や家庭料理、茶懐石、精進料理も和食です」と、同日本料理研鑽会の一木敏哉代表は語る。そんな和食は、日本の伝統的な文化と密接的な関わりがある。「あらためて、静岡ならではの食を発信するためには、文化とともに和食を再認識する必要があるのではないでしょうか?そのためにも皆さんと日々精進や検証を行い、発信していける場でありたい」と語る。
『ふじのくに日本料理研鑽会』の発起人は、一木敏哉さん(懐石いっ木)、望月雄介さん(駿河の味処 富士屋)、川上哲宏さん(彩席 かわかみ)、内海亮さん(つま恋リゾート彩の郷)、深田浩介さん(和食処なかや)の5人。『ふじのくに日本文化研鑽会』は、懐石いっ木の一木敏哉さんを代表に華道家の松下由佳さん、書道家の大橋藍舟さん、茶道家(裏千家)の早川宗江さん、陶芸家の鈴木青宵さん、着付け師の二橋サカエさんといった文化人が名を連ねるほか、庭師の鈴木聡士さんや老舗酒店の大橋剛さんなど個人が発起人となる。同日本文化研鑽会の西沢広保さん(Benefitea㈱)のコーディネートによって9月11日、静岡県庁に出向き、難波喬司副知事を表敬訪問した。「それぞれが個々のネットワークだけで情報発信しているだけでは集客に限界がある。この会を発足させたのも、静岡の伝統や文化を守り、静岡ならではの食材や料理を県内外、そして近隣の中国や台湾、東南アジアなどのさまざまな国に発信していきたいという思いがあるから。双方の会の発足をきっかけに、より多くの観光客を静岡に呼び込みたい。静岡の食や文化の発信を入り口にして、その先には、静岡の経済を活性化させたいという思いがあります」と西沢さんは期待を寄せる。
●問い合せ、050・3478・5121