しずおか信用金庫(静岡市葵区相生町1─1、田形和幸理事長)は、2017年11月7~10日にかけて『第4回しずおか信用金庫 海外視察研修~ベトナム・ハノイ』を実施した。TPP11をはじめとする各国との積極的なFTAやEPA交渉において、今後さらに加速が見込まれる中小企業のグローバル化の動向を踏まえ、地元中小企業の海外展開支援策の一環として行われたもの。地元中小企業の関心も高く、日本の経営を学びたいという現地企業のニーズも多いことから、“ベトナム・ハノイ”での視察研修が実現した。
視察内容は、木工業の集積地であるドンキー村の見学やヤマハ発動機の現地法人の工場視察のほか、現地の拠点として海外進出のサポートを行うJETROハノイ事務所やベトナム投資開発銀行を訪問し、ベトナム経済や投資環境の現状を聴講した。そのほか、ハノイ市内にある商業施設の視察なども行った。なかでも、ビジネス人材の育成と日本企業などとの関係強化の拠点として開設された“ベトナム日本人材開発インスティテュート(以下 VJCC)”で行われた商談会では、業務提携やOEMなどといった具体的なビジネス(取引)につながる個別商談が実施された。海外現地での個別商談会は、はじめての開催ながらも「ベトナム現地企業と地元中小企業の海外展開の機会を創出することができたのではないか」と、同金庫では話している。
商談会では、同金庫が事前に地元中小企業8社(仏壇・仏具製造販売、型枠製造、冷暖房機器部品製造、機械・器具・工具販売、下駄製造・販売、小物木製品製造、茶・コーヒー類パック製造、鋳造・鋳物・機械加工)からニーズを聞き、そのニーズをもとにVJCCが現地企業を募集した。当日は、日本企業10社とベトナム企業30社が商談。商談件数63件に対して、商談継続見込件数が13件と予想以上の成果を残した。同金庫によると、「ベトナム現地の人件費は高騰しているものの、日本や中国に比べれば安価で若い労働力(中位年齢30・1歳)が活用できる。また、今後も高い経済成長が見込めるベトナムでは、日本の優れた技術力や製品を活用できる面が多いことから、ベトナムへの海外展開は、今後ますます増加傾向になるのではないか」と言う。
●問い合せ、054・247・1160 (業務サポート部)