東光ガード㈱(静岡市駿河区、大石盛幸社長)は、静岡県が進める「一社一村しずおか運動」の活動をさらに前進させ、村おこしと実益を兼ねて、葵区俵峰地区の不耕作地で無農薬茶の栽培に挑戦しており、事業化へ向け早期にめどを立てたい考えだ。
無農薬茶は、農家から0・1ヘクタールを借り受け、5年前から茶の栽培を始め、3年前から、将来的に海外への販売を視野に無農薬茶に切り替えた。当初は、害虫や病気に悩まされながら、3年目の今年は農薬を散布した茶葉と同等量の収穫を得るまでになった。
「一社一村しずおか運動」は、過疎化・高齢化による担い手不足などにより、農地荒廃や集落機能の低下が進む農山村地域において、都市と農村の交流人口の増加による活性化を狙い、県が2006年からスタートした日本初の試みで、県内企業が多数参加している。
同社は、地域貢献として俵峰地区を対象に同活動に参加。年2回の清掃活動や、農家の依頼に応じて茶摘みなどを手伝うなどの活動を行っているが、村おこしと将来的な実益を見据えて、無農薬茶栽培に着手した。
栽培を担当する村松昇太郎氏は、「高齢化が進み、茶農園を維持できなくなった農家に代わって、地域の活性化に協力し、早期の事業化を目指したい」と話す。
東光ガードは、県内を中心に展開する警備保障会社。収穫したお茶は現在、地域の協力を得て煎茶に加工し、顧客に提供するなどして自社PRに役立てている。