静岡産業技術専門学校(静岡市葵区宮前町110─11、遠藤進校長)は、今年3月に同校を卒業する学生たちが、約半年をかけて研究を進めてきた成果を発表する『CADデザイン科 卒業研究発表会』を1月25日に開催した。
CADデザイン科の2年生が、今春入社する予定の県内外の企業からテーマをもらって、研究を進めてきた。入社後に即戦力として活躍してもらうことを期待して研究テーマを出した企業もあれば、まずは基礎的な知識を学生に習得してもらい、入社後にその知識を生かして業務を覚えてもらいたいと考えている企業など、就職先の企業によってその目的はさまざま。昨年8月末までに内定を受けた企業に学生が訪問してテーマをもらった。就職先の企業からは人事担当と卒研担当の二人体制で学生をサポートしてきたという。
発表会当日は、内定が決まっている企業ごと、21チームに分かれて研究成果を発表した。一人あたり10分程度の発表となり、入社予定の企業からもサポートしてきた担当者などが訪れた。発表後の質疑応答では、入社予定先企業の担当者が、研究内容の成果や発表会まで努力を続けてきた学生たちたちの頑張りに対して激励の言葉を贈った。
モノづくりのすべての分野に通用する3次元CAD技術者の育成を目指すCADデザイン科では、実践的な技術の習得を目的に企業連携授業を行っているが、今回の卒業研究発表会はその集大成ともいえる。就職先の約6割は県内の自動車関連を中心とした企業で、その他は県外の企業に就職するという。なかには大手企業の開発部門などに、CAD技術者を派遣する技術者派遣の専門会社に入社予定の学生もいる。時代を反映して今春卒業のCADデザイン科の学生は女性が6人と例年に比べても多く、より幅広い業種業態で女性が活躍できるステージが整備されつつあることが感じられた。同校では、「実際に企業の方の意見を聞きながらの制作は、これまで学んだ技術と知識をより実践的なものにできるいい機会です。今後も積極的に企業連携に取り組みたい」と語った。