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【麺や厨】行列の店は販促・求人採用費をかけず店舗内外にファンを作る

2020/06/20 [06月20日号掲載]

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 麺や厨(静岡市駿河区国吉田4—4—8、天野洋平代表)は販促費や求人採用費を一切かけず、従業員満足度を高め「お店が好き」なファンを増やす活動に注力している。

 徳島県出身の天野代表は京都府のラーメン店で修業した後、2014年に静岡市清水区で同店をオープンし16年に現在地へ移転した。濃さが選べる鶏ベースのスープが特徴的な行列のできる店だ。

 「販促費は使わず、お客さまに還元する」という天野代表の考えのもと、販促経費を一切かけず、より良い商品開発やサービスのため試作や社員研修などを充実させている。さらに求人採用経費も近年使っておらず、毎年入れ替わるはずの高校生や大学生のアルバイトを含め、全従業員が既存の従業員からの紹介入社。飲食店では珍しく求人の経費をかけていない。主に10円単位のこまめな昇給制度や外部講師を呼んで行う月1回の社員研修、従業員が発案したラーメンを限定メニューとして販売、バーベキュー大会、従業員の個性に合わせた卒業式企画など〝楽しい会社〟にしたいという天野代表の思いを実現している。さらに正社員の賞与の査定にアルバイトからの匿名の評価制度を採用しており、従業員全員が平等に気持ちよく働ける職場環境を追求している。今年3月には、大学を卒業し帰国予定だった中国出身の元従業員が新型コロナウイルス感染拡大で帰国できず、VISAや賃貸契約の期限切れで生活に困っていた。すると他の従業員が定休日に店を開け、お弁当を作って販売しようと発案。原材料は店が負担し、売上を全てその従業員に渡し、帰国まで生活に困らず過ごせたというエピソードがある。天野代表は「従業員にもお客さまにも、お店を好きになってもらいたい。今後は店舗プロデュースや人材育成コンサルティング、商品開発や多店舗展開にも注力したい」と意欲的だ。

  • 問い合せ、054・395・7200