㈱ＭＡＴＳＵＯ（静岡市駿河区富士見台１─15─５、松尾憲次社長）が製造・販売するファッション性の高い安全ピン“ジュエルロック”が、海外市場を中心に人気を集めている。日本では、アクセサリー感覚のファッションアイテムとして使われている“ジュエルロックピン”。海外でも売れ行きが好調で、なかでもサリーなどの民族衣装を身にまとうインドや、ベールを身につけるインドネシア、パキスタン、ヨルダンなどイスラム圏の女性に人気があるという。現在、これら中近東諸国と近隣国のネパールを含めた南アジアまで販路を広げている。
松尾社長によると、現地では中国製の模造品が出回っているという。しかし、同社の安全ピンは、日本の工場で７回の工程をかけて丹念に研磨したステンレス針によって、先端の針が曲がりにくいといった強度的な性能はもちろんのこと、民族衣装などの高級な生地を傷めることがないという。そのため、同社の“ジュエルロックピン”や、マフラーなどを固定する“ストールピン”が、イスラム圏の市場を席巻している。松尾社長は、「安心安全、高品質なジャパンブランドとしての優位性を背景に、中近東諸国を中心とした海外市場に活路を見出していきたい」と期待を寄せる。
２０２３年には創業60周年を迎える。安全ピン本体に透明なキャップを着けて、そのキャップをスライドして針を閉じたり開けたりできる二重ロック構造の “ロックピン” （意匠登録・製法特許）も同社の主力商品として、50年以上愛されているベストセラー商品。世代を超えて愛され続けていることもあり、愛用しているユーザーからは折にふれてメールや手紙などで、これからもクオリティーの高い安心安全な商品を作り続けてほしい…といった激励の言葉をもらうそうだ。これら顧客からの信頼と期待に応えるためにも、現在は新製品の開発に全力を注いでいるという。
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