ガイアフロー静岡蒸溜所(静岡市葵区落合555、中村大航社長)は、すべての原材料を地元静岡産にこだわった“オール静岡産ウイスキー”の製造に着手した。静岡蒸溜所が“オール静岡産ウイスキー”を手がけるのは3回目となる。近年、オクシズ(奥静岡)の愛称で注目を集める静岡市葵区の山間部で、地元に根ざしたウイスキーづくりを行うガイアフロー静岡蒸溜所。2021年12月から、大麦麦芽、酵母、水、燃料のすべてを静岡県産で揃えた“オール静岡産ウイスキー”の製造が始まった。
静岡蒸溜所の計画段階から“オール静岡産ウイスキー”の製造は中村社長の悲願でもあった。同社によると静岡県内では大麦がほとんど栽培されていないため、静岡県産の大麦を確保するのに苦労したという。ウイスキー業界では、麦芽や酵母など原料の産地にスポットがあたることはほとんどなく、日本国内でも一部の原材料は海外から輸入して製造しているという。麦芽や酵母はもちろん、仕込水や蒸溜機に使用する薪に至るまで、すべて静岡産の原材料を使ったウイスキーの製造は希少な存在だ。
“オール静岡産ウイスキー”は、麦の種子として静岡の大地に触れた瞬間から、ウイスキーに生まれ変わり消費者の手に届くまで、静岡の自然に包まれて育つ。今年もすべて原材料を静岡県産で揃えられ、仕込みができることについて中村社長は、「静岡蒸溜所では、静岡のテロワール(ウイスキーの特徴や特性)を表現した『静岡らしいウイスキー』を目指して、試行錯誤を重ねています。農業の生産者や自治体の皆さまと協力して、着実に前進できていることに感謝申しあげます。今後も静岡産の原材料での仕込みを増やしていきたい」としている。
- 問い合せ、054・292・2555