今年5月、2016年から8月11日を「山の日」(祝日)と定めることが決まった。山の日は、山の恵みに感謝するとともに、美しく豊かな自然を守り、次の世代に引き継ぐことを心に刻む日だ。静岡市の安倍奥、梅ケ島地区に江戸時代末期から代々続く“山守”がいる。鈴木林業。保有山林のすべてが静岡市の上水道の水源地であることから、ここが貴重な自然を形成していることを認識し、地域の植林活動の指導的役割を担いながら森林活動を営む。8代目を託される鈴木英元氏は、現在の社会システムでは個人経営としての林業継続が困難になると、「持続可能な森林経営」を目指し新たな仕組みづくりを開始した。企業や行政と連携し地域で森林を守る「地域林業事業体」を構築する考えだ。「この豊かな自然を次の世代へつなげるという使命がある」という。

■略歴

鈴木英元(すずき・ひでもと)

1968年2月29日生まれ。静岡市出身。46歳。静岡市立梅ケ島小・中学校、県立天竜林業高校(現・県立天竜高等学校)、東京農業大学卒。大学卒業後、アメリカの林業・製材会社「バンポート・マニュファクチュアリング㈱」で2年間の研修を経て、24歳で家業を継ぐために鈴木林業に。2014年3月に設立した「安倍奥ティンバー・リソース」の代表を務める。