とろろ汁専門店の丁子屋(静岡市駿河区丸子)は、創業420年。江戸四大浮世絵師の一人、歌川広重が描く「東海道五拾三次之内 鞠子 名物茶店」のモデルといわれている。五十三次に描かれた風景で唯一現存するお店として、静岡を代表する観光名所となっている。旬な時期に収穫した在来種の県内産自然薯をはじめ、随所に超老舗のこだわりを魅せる。歴史に名を残す伝統の味と旅人の文化を伝える。そんな環境に育った14代目当主・柴山広行氏がさまざまな重圧や葛藤を乗り越えた結果、辿り着いたのは「東海道」という原点だった。

■略歴

柴山広行(しばやま ひろゆき)

静岡市駿河区在住。1978年9月12日生まれ。38歳。常葉学園橘高等学校卒。桃山学院大学経営学部(大阪府和泉市)卒業後、大阪の和太鼓チーム「打打打団」に入団。5年間活動した後、2006年7月から丁子屋に。現在は14代目当主として店を切り盛りしながら、対外的な活動も展開。「皆さまに生かされている」ことを肝に銘じ日々を過ごす。大事にしたい言葉は「咲いた花見て喜ぶならば、咲かせた土の恩を知れ」。妻と息子3人の5人家族。