日本の資本主義の根幹をなす株式市場における外国人投資家の売買代金シェアは約70%にも及び、彼らにマーケットをコントロールされていると言っても過言ではない。岸田政権は「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとした、新しい資本主義を実現することを表明している。しかし、一部の外国人投資家は、これを米国型ガバナンスへの収斂を日本人に求める絶好の機会と見ている。政治家も、企業も、メディアも、学者も、「海外機関投資家」をひとくくりにしているが、外国人投資家は玉石混淆であり、それぞれその狙いは著しく異なる。これらを整理し、彼らと共存する術を探る。